パラサイト ラブ
お味噌汁の香り

ざらつくものが顔に押し当てられる感覚で、私は目を覚ました。


まぶたを開けるといきなり、ぱっちりとした鋭い瞳と目が合う。



「……ちぃ?」



夢でも見ているのだろうか。私の身体の上に乗っているのは、龍ちゃんの実家で飼っているはずの猫、ちぃだ。



「あ、朝乃さん起きた?」



ちぃが視界から消え、代わりに私の顔を覗き込んだのは―――…



「ハナ、さん?」


「龍二がね、朝乃さんの具合が悪いから誰か看病してやってくれって実家に電話してきたの。
おばさん…龍二のお母さんは朝から来てて、私とこの子はさっき来たところ」



ハナさんが言うと、同調するようにちぃがにゃあと鳴く。



「朝乃さんにどうしても謝りたかったから来たんです。」


「謝る……?」


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