パラサイト ラブ

孤独な少女時代を過ごした朝乃の話を聞いてから、恋人としての愛情の他に保護者のような気持ちを感じるようになった。



朝乃を守り、正しい方へ導いてやる――それが自分の役割であるような気がして。



だけどそんな考えの裏側に、独裁者の顔が潜んでいることにも気づき始めていた。



朝乃を、俺だけが鍵を持つ檻(オリ)に閉じこめたい。

俺だけを見て、俺だけに餌を与えられ、俺のためだけに鳴く……

羽を奪われた鳥のようにしてしまいたい。



…きっと、朝乃はそれでも幸せだ。


< 59 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop