パラサイト ラブ
厄介な議員

「それって……私と一緒に居ても、龍ちゃんにはプラスにならないってこと?」



ぽつりと呟いた朝乃。
俯いているせいで表情が見えない。



「そういう訳じゃ……」



もしかしたら、例えを間違えたかもしれない……

そう思ったときにはもう遅くて



「…もう、帰ろう?」


「ちょ……待てって」



すっかり朝乃は不機嫌になり、ぜっかくのデートは台無しになってしまった。



「あーさの、ごめんって…」



車の助手席で仏頂面を続ける朝乃に、謝り続ける俺。



「別に、怒ってるわけじゃないの」


「…じゃあなんでそんな顔してるの」


「ちょっと……考え事してるだけ」



朝乃は俺から顔を背けるように、窓の方を向いてしまった。


< 66 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop