しあわせおばけ

立ち上がった俺の頭が、誰かに揺さぶられているかのように大きく揺れた。

立ちくらみとか、そんなレベルじゃない。



世界がぐるぐる回り、気持ち悪くて立っていられない。



「三国…?」

すぐ隣にいるはずの相沢の声が、遠い。



そして俺は、その場で膝から崩れ落ち…―



目の前が真っ暗になった。





意識を失う直前、「パパ!」と、数ヶ月ぶりに俺を呼ぶ明日香の声が聞こえた気がした。



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