終わらない恋になれ
15th 終わらない恋になれ





―――季節は流れて、常陸と過ごす二度目の冬ももうすぐ終わりを告げようとしている。
無事大学を卒業できることになった私の卒業式は明日に迫っていて、今日は和服に合わせる髪飾りを買いに常陸と繁華街に来ていた。


…ヴァンパイアの殿下に恋人ができた、と領内中に噂が広まったせいか、ものすごい注目を浴びているのに全く意に介さない常陸とは対照的に、私はそわそわとどこか落ち着かない。
すると、それに気がついた常陸が私の顔をのぞき込むようにかがんだ。










「…なんとか慣れろよ、未来の王妃」


「―――!そ、そんなプレッシャーかけないでよ…」


常陸の言葉に小さな声で反論したけど、常陸の表情は変わらない。眉間にしわを寄せ困ったように笑うだけで、私の頭を撫で回すから髪がぐちゃぐちゃになってしまった。


(…やっぱ、相応しくないのかな)





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