午前0時、夜空の下で
丸太のように太い無骨な腕が、細い首を渾身の力で締め上げ、心の顔から血の気が引いていく。

「やめてっ! 死んじゃう……!!」

薄れていく意識の中、悲鳴のような声が響き渡る。

心はぼんやりとする頭で、このまま死ぬのかな、などと考えていた。

男の腕力に少女の心が敵うはずもなく、どうにか外そうと足掻いていた腕から、徐々に力が抜けていく。

もうダメと思った――その時だ。



いきなり、気管から新鮮な空気から流れ込んでくる。

「ゲホッ……ゴホッ」

その場に崩れ落ちた心は、ひどく咳き込みながらも、夢中で空気を貪った。

だんだんと意識が鮮明になり、ようやく周囲の様子に気づく。

粉塵。

怒号。

悲鳴。

「な、に……?」

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