午前0時、夜空の下で
「アルジェン、なんかピリピリしない?」

まるで静電気を身体全体で感じているかのような感覚に心は戸惑ったが、振り返ったアルジェンの顔は真っ青である。

目を見開いた心に、アルジェンは謝罪の言葉を口にした。

「終の間が近づいているのです。そのためここには異常な密度の魔力が集中しています。
魔王陛下ならなんの異常も感じないようですが……次期魔王候補の段階では微かではあるものの、影響を感じているようですね。
普通の魔族ではこの魔力に耐えられません。私はオズイスティン家の血筋ですので、影響はありますが他の魔族ほどではありません。
どうぞお気になさらず」

それは無理ですとも言えず、心配の色を瞳に浮かべながらも心は再び歩き出した。
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