午前0時、夜空の下で
エピローグ





終の継承をもって、魔界に新たなる王が立つ。

此度の王はまだ幼き少女だ。

天族の血と人間の血を併せ持った、類稀なる少女である。

彼女は前魔王陛下である妃月王の魔力を受け入れるも、己の天力によって妃月王に治癒を施すという、前代未聞の終の継承を成し得た。

その後、彼女の異例の生い立ちに苦言する者が出たため、妃月王は伴侶としてともに政務に携わることを明言した。

代々魔王陛下に天字の名を献上してきた天王は、新たなる王に茲路(ココロ)の名を捧げた。

これにより魔界の新たなる王は、茲路王となる。

魔界と天界の中立を守る者として、私は新たなる王を認め、忠誠を誓うことをここに宣言する。


永久の中立の地――久遠の森を司る灰狼より





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