威鶴の瞳


……いやまって、なに、ちゃんとって、女の子って、なに。

何を期待、してるの。

なんでトーマに、そんな……乙女チックなこと、思ってるの。



自分で自分が、わけわからない。



「なぁ。威鶴……って、男の方な?アイツの能力、俺も知ってんだけどな」

「え、あ、はい」

「依鶴さんも占い出来んだろ?そういうのって、血筋みたいなもん?」

「……」



さて、今度はどう答えましょうか。

血筋と言うか、なんというか、いづるは一人の人間だからであって……。



遺伝?

いやなんか違う。

血筋……とも言い難い。



「ええと……占いは、言ってしまえば誰でもできる可能性があるものです、から……能力とか、そういうのじゃないです」

「誰でも?」

「子供でも出来るでしょう?お天気占いとか、花占いとか。投げた靴が表なら明日晴れ、裏なら雨。タロット占いも趣味でする人とかいますし、ね?」

< 115 / 500 >

この作品をシェア

pagetop