威鶴の瞳


威鶴の決意を感じた。

いつまでもバイトな理由。

いつ消えてもいいように。



アイツは……本当にいつ消えるのも怖くなかったのか?

心が決まっていたのか?



ある日突然作られ、ある日突然消える。

自分の存在理由が無くなれば、消える。



俺からすれば、そんな身勝手な作られ方は嫌だと思う。

いや……でも依鶴さんは『分裂』といった。

人格が増えたわけじゃなく、柴崎依鶴が三つに分裂したと。



でも、依鶴さんがコピーでもなんでも、俺は三人をまとめて同じ人だとは思えない。

こんなにも三人ともバラバラで、表情も違うのに……同じだとは思えない。

会いたい時に会えているはずなのに、本当の意味で会えていない、もどかしさ。



俺たちの五年間が、『無』になること。

それを俺も、怖いと思う。
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