威鶴の瞳

問題は辿り着くまでだ。

どうやっておびき寄せるか、それとも、こちらから行く事が出来るか。



渡辺春の彼女からは、何も手がかりが見つからない。

ただ、現時点で1つ、うまくいけば手がかりとなり得る可能性がある手段が1つある。



ただそれは……出来ればしたくない。



「犯人への接触、手がかりを掴むために1つだけ、今持っている中で手がかりになり得る可能性があるものがある」

「え、それ本当か!?」



マサルが騒ぐ、少しうるさい。



出来れば、したくない。

避けたい、苦しいから。



「ただ少し、それは避けたいところだ」

「どういうことだ?」



トーマが俺を見る。

俺はトーマに向き直る。





「トーマの過去を、見ることになる」



苦しい、ツラい、君のココロ。

君を取るか、依頼を取るか。




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