教組の花嫁

 夜、小波は瞑想室で瞑想をしていた。


 小波の携帯電話にメールが入った。
 メールの相手は、カメラマンの北河だった。



 先日はお世話になりました。明日、大阪に出張に行きます。
 ホテル泉に泊まる予定にしています。お会いできませんか。


 北河  

 北河のメールに小波は目を通した。



 (教団の財産を、たとえ自分の物に出来たとしても、それで、母親の無念が晴れる訳ではない。母親の無念を晴らす為には、教団の代表である教祖に、もっと強烈な打撃を与える必要があるのではないか)

 小波は考え事をしていた。



 (北河の子供を産むのも、面白い方法かもしれない)



 小波には、悪魔的な考えが閃いた。




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