教組の花嫁

 「あんたには関係無いだろう」



 「私に乗り換えない?」



 ほのかが大胆な言葉を口走った。


 「えっ、人気女優の嶋中ほのかに。まじで?」
 「私は本気よ。考えといてよ。名刺をくれない。私の携帯の電話番号を、教えて上げてもいいわ」


 北河はほのかに名刺を差し出した。
 ほのかは手帳に電話番号を書き、びりびりと破って、それを北河に渡した。
 名刺を受け取ると、ほのかは立ち上がった。


 「これで、失礼するわね。最後にひとつだけ聞いてもいい」


 ほのかが北河を見下ろしながら言った。


 「いいよ」
 「あなたと星野さんはどこで知り合ったの」


 ほのかが、北河の目を見て質問をした。





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