教組の花嫁
 
 「教祖様と千葉様のお陰です。本当にありがとうございました」


 ほのかが、道心と百合葉に礼を言った。


 「しかし、大女のお婆さんだね」


 道心がほのかを見て冷やかした。


 「いやだ~。教祖様ったら、にやにやと笑ってばっかりで。これでも私は、必死に猫背になって、お婆さんになり切っていましたのに」


 ほのかがムキになって道心に言った。


 「済まん。済まん、余りにも可笑しいので。しかし、千葉君は笑わずに、よく病人役を演じられたもんだね」


 「私は、嶋中さんの顔を出来るだけ見ないようにしていましたわ。でも、関西弁が聞こえてくるでしょう。可笑しくて、可笑しくて。それを我慢するのに、苦労をしましたわ」


 百合葉が、笑いを堪えた苦心談を二人に面白可笑しく話した。







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