地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜




お姉は、私から少し身体を離すと



「今まで辛かったよね。苦しかったよね。芽有の事…今まで知らなくて、助けられなくて、本当にごめん」



そう言って小さく笑い、私の頭を優しく撫でた。


その手の温もりが嬉しくて、愛しくて…私の目から、先程とは違う涙がこぼれ落ちる。



「けど…私はっ、」


「大丈夫だよ芽有。…大丈夫」


「なにが!」



「嫌われてるとか…忌まれてるとか、そんな事ないから。

だから大丈夫だよ、芽有。

これ以上、周囲を…自分を、傷付けたり遠ざけようとしなくていいから」



「―――――っ!」



お姉のその言葉に、私は思わず息を呑んだ。




< 455 / 514 >

この作品をシェア

pagetop