“隣の不可思議くん”



「私も、皐月さんと同じで高校を卒業したら・・両親に決められた相手と結婚しなくてはならなかったんです・・でも・・でも、私もそれは私の意志がどこにもないって澄羅さんやおばあさんに教えてもらいました。」



皐月さんのためにも、澄羅さんのためにもしっかり伝えなくてはいけません。


「先日、両親のもとに行って・・ちゃんとお話してきました。大事にしたい人が他にいる・・だから、結婚はできませんって・・そうしたら両親は喜んでいました。ちゃんと話してくれてありがとうって・・・。」



歩み寄らなかった自分のせいで両親ともすれ違っていたのです。嫌われてなんていなかったのです。



「ですから・・私も・・私も馨くんがいいです・・。馨くんと一緒にいたい。」



いつの間にやら隣に来ていた馨に抱きしめられた。


「大事にする・・大事にするからずっと一緒にいて・・?」


「はい・・嫌だといっても離れません。」


そういって抱きしめ返した馨くんはとても温かかった。


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