*曖昧模糊*
カンッ カンッ
金属の階段を登る二人分の
足音だけが悲しく響き渡る
あと少しで着いてしまう
また、壁一枚隔てた関係になってしまう
・・・・・・・・・・もっと、葵くんと一緒にいたい
「・・・・・・・・・雛」
「・・・・ぇ?」
久しぶりの問いかけに思ったような声が出なかった
「・・・・また今度、デートしよ?」
「っ!」
デート!
葵くんがいつもみたいに笑うから
あたしもつられて笑顔になっちゃう
「・・・・・・うんっ!」
・・・・・・・また、今度があるんだ・・・