眠り姫の唇
「…俺は子供か?」
「“係長”にこんな事出来るなんて、会社で私だけですね。」
そう言って瑠香は笑った。
「そうだな、お前だけだ。」
岩城は身体を離し、去り際に瑠香の唇をチュッとかすめ取る。
「風呂入ってくる。」
「……。」
…あんな軽いキスなのに、なんでこんなにドキドキするのだろう。
どうしてもニコッと笑って風呂に入りにいった男を思い出してしまう。
…ハマってしまいそうだ。
岩城修一郎という男に。
これは困ったぞと思いながら、
瑠香はソファーで丸まった………‥。