愛してんで
ゴロゴロ…
ザァァァァ…
ピカァッ…
ド―――――ン!!
奏「キャァァァー!!」
港の端にある古い東屋に、奏は身を寄せていた。
体は、既に雨に濡れて体温を奪われ、小刻みに震えていた。
鈍く響く音に、両耳を塞ぐ様にうずくまる。
ドクンドクンと、頭の中で心臓の音が、大きく鳴り響く。
奏「お兄…お兄…怖い…怖いよ…助けて……」
ド――――――ン!!
奏「嫌ぁぁぁぁっ!!お兄ぃぃぃぃ!!」
奏は、意識を手放した。
崩れ落ちる様に、冷たい床へ倒れた。