センセイと一緒【完】





「トランプか。何やんの?」

「大富豪」

「乗った!」


和泉は即答した。

和泉は昔からこういったカードゲームが好きで、とくに勝負事には目がない。

目を輝かせる和泉の前で、直樹が鈴菜を見る。


「……えっと、ペアは森下さんってことでいいかな?」

「当たり前でしょうが。鈴以外、あたしの隣はありえないよ」

「でも私、大富豪ってあまり得意じゃないけど」

「大丈夫、あたしが全員蹴散らしてやるから。鈴は大船に乗ったつもりでいてくれればいいよ」


なんとも自信にあふれたその言葉。

あははと笑う鈴菜の前で、直樹が楽しげに目を細める。



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