恋涙

先生の青い車が私の前に停まった。


私は「お願いします。」と言って、後部座席に座った。


今日は知紘がいないから車の中に二人っきり。


こういうの大丈夫なのかな?と思った。



「他の人に言わないでね。」

先生が運転しながらルームミラーで私を見ながら言う。


「何を?」


「こうやって送っていってること。」


「言わないよ。」


先生の「言わないでね。」の意味がよく分からなかった。



「今日家に着くまで道教えないでね。」


先生が真剣な目をする。


「なんで?」


「俺もう覚えたから!間違えずに行ってやる!」


そんなことを言う先生が面白かった。



「ホントに行けるの~?」



「行けるよ!」



結局先生はあと少しのところで右に曲がるところを左に曲がってしまった。


「そっちからでもいけるよ。」と行ったけど、「騙されない。」と先生は行って、結局右に方向転換した。



今だから言えるけど、本当は左の方が近道なんだよ。





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