恋涙
私の一言に月島さんは驚いていた。


私には何が何だか分からない。



「絢ちゃん、もしかして覚えてないの?」


月島さんは動揺して私の肩に手を置く。



「え・・何?どういうこと・・・?」



「絢ちゃん、それ、絢ちゃんのだよ。」



そんなことを言われても、こんなお守り知らない。


見たことないもん。



「知らない。これ、私のじゃないよ。」



否定しつつも、自分が間違っていて、月島さんが正しいことは何となく分かってたんだ。









そのお守りは手術直前まで私が握りしめていたもので、「大切な人からもらったんだ。」と月島さんに話して預けていたらしい。



覚えてない。




この時、私は初めて自分の記憶がないことに気づいたんだ。
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