時を駆けた夏 ~また、君に恋をする~
「…じゃ、この問題を…、さっきからぼーっと教科書めくってる宮本! 答えろ~」
「え? あ、はい?」
嘘、私?
いきなり当てられて、教科書をめくっていた手が止まる。
みんなの視線が私に向けられていた。
「夏、がんば!」
後ろの席の葉月の笑いの含んだ声を聞いて、最悪、と思いながら渋々立ち上がる。
「宮本、どんまーい」 「なっちゃんファイトー」
そんな声が飛び交う中、私は黒板の文字を見つめ、一人で悪戦苦闘していた。