「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「千里!!」

「何」


少し睨みつけながら俺を見る愛海。
そっから気まずそうに視線をずらすと…

「お、覚えておいてよっ」

だなんて全く俺の顔を見ずに愛海は言い放った。
それに目を点にする俺。


強がってみせてるけど、心中は恥ずかしさでいっぱいなんだろうな。
だって俺の顔を見ては言えないのだから。


それがわかっている俺は立ち止まると、愛海の前に立って空いてる手で愛海の顎を掴む。
そして、薄く笑って

「期待してるよ」

そう耳元で囁いてやった。


呆然とする愛海の手から袋を奪い取り、俺は先に歩く。
少し呆けた愛海は慌てて俺の後ろについて来て、背中に一発軽いパンチを入れた。


それにケラケラと俺は笑った。


マンションまで到着して、自分の部屋へと向かう。
鍵を開けて、中に入ると。


―――――…玄関には女物の靴。




合鍵を持ってるのは愛だけだ。
きっと、愛かもしれない。

……何だよ、愛海と言い、愛と言い…予定通りに訪問して来い。
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