こちらミクモ探偵事務所5



体が揺れる。
と言うより、誰かに揺さぶられている。

「――さん、紘哉さん!」

誰だ、俺の睡眠を妨げる奴は。

紘哉は嫌々に思いながら、重い目蓋を無理矢理開けた。
徐々に焦点が定まってくる。
彼は体を起こし、不機嫌そうな声を出した。

「……何だよワトコ、こんな朝っぱらに」

「大変なんだよ!もうね、ものっすごく大変!」

「デカイ声出すな。頭に響く」

「だって……」

羽兎は、少し泣きそうな顔をしていた。
手には白い携帯電話。
彼女の携帯電話はピンクなので、他人の物だと分かる。

「ハッキリ言えよ。下らない理由で起こしたなら、後で鉄拳制裁だからな」

「うぅ……紘哉さん、機嫌悪い……」

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