こちらミクモ探偵事務所5

彼女は、ようやく気が付いたかのように紘哉の方を向いて尋ねた。

「こちらの方はどなた?」

「あぁ、俺の友達です」

紘哉は彼女に向かって頭を下げた。
今まで景色を見ていた羽兎が、慌てた様子で紘哉の隣に立った。

「初めまして。恵一くんの友達の三雲紘哉です」

「あら、初めまして。新井みどりと申します」

「この度は色々とすみません。大勢でお訪ねしてしまって……」

「いえいえ。こんな田舎まで、わざわざごめんなさいね」

畏まったように、みどりが頭を下げる。
そして、羽兎の方に目を向けた。

「そちらの方は?お二人とは年齢の差がありそうですけど?」

やたらと鋭いオバサンも存在するのである。

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