こちらミクモ探偵事務所5

「羽兎さん、紘子ちゃんの言っていた容姿、思い当たる節はありませんか?」

恵一が恐る恐る尋ねる。
羽兎は困惑した笑みを浮かべ、小さく頷いた。

「紘子ちゃんの言っていた容姿、私が会った彼と完全に一致します。こう考えるのは嫌だけど、やっぱり彼女が会ったのは、冬也さんだと……」

「そうですか……」

顔が暗くなる。
落ち込む二人に背を向け、紘哉は信夫のデスクの引き出しを開けた。

見付かるのは書類ばかり。
ちり紙交換に出せば、3ヶ月以上持つんじゃないかと思うくらい紙が多い。

紘哉は引き出しの中を引っかき回す。
すると紙ではない、何か四角い箱に手が触れた。

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