こちらミクモ探偵事務所5

一気に後ろへ下がる。
彼女は隆宏の陰に隠れた。

「1つは信夫さんの部屋の机の中、もう1つは台所の食器棚から見付かりました」

「何でそんなところから!?」

隆宏が声を上げる。
紘哉は首を振った。

「分かりません。ですが、恐らく犯人にとって、この場所が一番安全だったのでしょう」

「ほう……」

「おまけに、食器棚にあった箱は、1つ弾が足りませんでした」

「……」

もう誰も、何も反応を示さない。
ただ黙り込み、彼の次の言葉を待っている。

「台所にいる時間が一番長く、尚且つ信夫さんと共犯関係になりやすい人物……」

そう言って、紘哉は犯人の方を向いた。





「犯人は――みどりさん、あなたです」

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