秘密の片思い 番外編③
『イクト!ワインが無くなってしまった。悪いがワインセラーに行って取って来てくれないか』


ドクターがすまなそうに頼む。


郁斗は快く引き受けると、立ち上がった。


美奈子もおもむろに立ち上がる。


『あ!郁斗、私も行くわ。お料理に合うワインが手の届かない所にあるのよ』


そう言うと、ふたりはテラスからいなくなった。


『……アイ、睡眠薬は必要かい?』


『え……』


愛は戸惑いの表情を浮かべてドクターを見た。


< 28 / 82 >

この作品をシェア

pagetop