君色。-kimi*iro-

「なんだよ?」

パタリと扇いでいた扇子を閉じ俺を見る


「仁侠もんのチンピラ…」

言ってしまったら益々そう見える
濃紺の甚平はこう君の金髪を際だたせるし、普段肌を出さないぶん白い肌は濃紺を栄えせて……


「要らないこと言うのはーこの口か?」

ギュッと頬を摘まれ上手く喋れない

「ひょめんってっ!!いひゃいっ!!」

パッと離して貰ったがヒリヒリと痛む頬をさすりながら思わず笑った


「………笑った…。」

「えっ?」

「久しぶりに俺の前で笑った」

驚いた顔をしたこう君が表情を緩めて俺の頭を撫でた


「……頑張ったな」

< 107 / 212 >

この作品をシェア

pagetop