君色。-kimi*iro-
「あたしの事そんなに嫌っ!?」
「だぁっ!?殴るなっ痛いっ!!」
「あたし桜に嫌われたくないよっ」
「それを俺に言ってどうすんだよっ!?」
ほぼ売り言葉に買い言葉状態で
「……嫌いになんないでよ…」
「ゆき…」
「ねぇ……。あたしの事嫌い?」
じっと不安の色をした目が俺を見つめる
「……嫌…いじゃない……よ…」
「じゃあ…」
なんで離れるの…?不安の色は消えない
目が涙で揺れる
「……桜まで嫌いにならないで…」
ギュッと服の裾を掴んで俯く悠紀の肩は震えていた