あした、晴れ~An enthusiastic kiss~
the First season
I phoneのアラームが、僕の心地よい眠りを邪魔し始める。
目を閉じたまま、不快な音の主を止め、再び夢の中に吸い込まれてしまうところをぐっとこらえて起き上がる。


 また同じ1日が始まる……。


 絶望的な気分で、テーブルの上の煙草(マルボロ)に手を伸ばした。



 僕が本当の自分を隠してふるまうようになったのはいつからだろう?
こうしていることが当たり前すぎて、思い出せなくなっている。


 長くなってきた灰を見つめながら、くだらないことを考えていた。
まだすっきりしない身体を無理やり目覚めさせるためにシャワーを浴びる。



 とりあえず、あと数年「A」でいれば、彼らから独り立ちできる。そこでやっと自由の身になれる。

 それまでの辛抱だ。
< 1 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop