自称彼氏と自傷彼女。


「お兄ちゃん!」

「音色?」


お兄ちゃんが音色って言い終えるまでに、あたしは走りだしてお兄ちゃんに抱き付いてた。


空白の8年間が戻ってきた気がして、涙が出てきた。


ゆっくりお兄ちゃんから離れて、涙を拭って、お兄ちゃんの顔を見た。

「音色、久しぶり。」

「ひ、久しぶり。」

妙に緊張してしまって、お兄ちゃんはふわりと笑った。


やっぱ、似てるなぁ。



千里も、お兄ちゃんも必要以上に顔が整ってて、笑った顔がよく似てて、ふわふわ笑うの。


二人一緒に見たらなんか可笑しい。



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