俺様の運命の女神


一瞬にして速まる鼓動。

彼女の笑顔は猛毒らしい。

高鳴る鼓動に釣られ、顔が火照る。


「せ、先輩?」

俺の顔を見上げる彼女と視線が絡み、

顏だけに止まらず、全身が熱い。

息苦しい…呼吸までもを麻痺させる。


「先輩、花火好きですか?」

「………あぁ」

「私も好きなんです」


“好き”……??

――――そうか。

俺、コイツの事が好きなのかも。



ヒュルルルル……ドンッパッ……パチパチパチ…


「先輩!!凄いですねぇ~」

「あぁ…そうだな……」


無邪気に喜ぶ彼女の笑顔が

俺にとっての大輪だのかもしれないな。


< 162 / 297 >

この作品をシェア

pagetop