俺様の運命の女神


まぁ、家族のお陰で彼女と会える回数が増えたのは事実。

そんな風に穏やかな日々はあっという間に過ぎ去った。


――――2学期。

10月に入ったある日。

最近、彼女の様子がおかしい。

いつものように旧図書室で、

間近に迫った中間テストの勉強をしていると、

突然―――――、


「先輩、今日はもう帰ります」


彼女は何かを思い出したのか…

慌てて片付けを始めた。


「どうした?」


俺は彼女の様子が気になり、訊ねてみる。

けれど、彼女は…


「ちょっと用が…」


どことなく落ち着かない様子で。

……やっぱり、おかしい。

いつもは“彬を待っている”と嘘をついて別々に帰っているが、

彼女の様子が気になり、こっそり後を追う事に。


すると――――、


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