アクセサリー
 暗くなった空からもうすぐ降ってくるもの。彩乃の誕生日が近付くと降ってくるもの。
 それはすてきに二人を祝福してくれるはず。
 今年は降ってくれるだろうか?
 きっと降りそそいでくれる。
 今年はすてきなクリスマスになりそう。いや、すてきなクリスマスにするのだ。
 誰にも邪魔なんてさせない。抱き合ってる姿をみんなに見られてる? そんなの関係ない! 
 彩乃は隆一の胸に抱かれながら小さくつぶやく。
「好き……だから……隆一も……」
「え? 何?」
(私の全部を愛してね)
 彩乃はそう言おうと思ったが、抱きしめられて口が思うように動かなかった。
「なんでもない!」
 彩乃はそっと顔を離してそう言ったが、うれしくなってまた顔を深くうずめた。今は聞こえなくたっていいの。
 しっかりもう一度、耳元で言ってあげるか
ら。でも、今の隆一なら言わなくても大丈夫かも。
 でもやっぱり、しっかり言ってあげよう。主張することは主張しないとね。
 隆一の胸の中でふふふ、と笑った。
 彩乃の手はもう冷たくなかった。
 だって隆一の手のぬくもりがとても温かったから。
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