Bitter Kiss.
ねぇ、

全部が、良い思い出だよ。


目頭が熱くなるのを堪えて、

つとめて冷静な振りして、

言った。


「行かない」

冷たく言い放った。

苺がこんな事言い出すなんてまるで予想していなかったようだ。

一瞬、
きょとんとした南が視界に入った。

気にせず立ち上がって続ける。

「苺はもう終わりにすんの。」
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