ドッペルゲンガー ~怪事件捜査倶楽部~。
――放課後――

本日の授業はテストまじかということで、お昼で終わりだった。

倶楽部のドアを開けると、一つの机の上にダンボールが置いてあった。

「道具もう届いてたんだ~はやいなぁ」

要は駆け寄るとダンボールの中を覗いた。

「なになに?どんな道具?」

あかねもダンボールに駆け寄り覗き込む。すると、眉をぴくりと動かし、眉間にシワを寄せた。

「……何これ?」

その呟きに、由希と秋葉も駆け寄って覗き込むと、あかねと同じように眉を顰めて表情を曇らせた。

「おっかしいなぁ。これしかきてないんだぁ?」

要は訝しがって首をかしげる。

その中には、望遠鏡が二つ入っているだけだった。

「要ぇ、何頼んだのよ?」

あかねがため息混じりにたずねると、要は肩をすくめ

「少なくともこれだけじゃないよ。もう少し頼んだんだけどなぁ……」と言葉を濁した。

「望遠鏡を?」

探るようにあかねが聞くと「ううん」と要は首を横に振る。

「望遠鏡も頼んだけど、他にも色々とね……」と、また言葉を濁した要の様子を見て、3人は納得した。

『要は機材が来るまで言う気はないんだ』と。

(そんなに驚く物なのかしら?)

(どうせくだらないもんなんだろうな)

あかねと秋葉は、どちらかといったら呆れた感じの事を思っていたが、由希は少し違った。

(さて、どんな道具なんだろう?)と、少しわくわくしていた。

「とりあえず、俺行くわ」

秋葉は部活に行くためにいったん部室を出る。

そのすぐ後に、あかねも生徒会の会議のために部室を出て行った。

「二人になっちゃったねぇ、由希」

「うん」

「じゃ、二人で情報収集でもしようか?」

「うん」

由希の返事を聞いてから、二人は部屋を出た。





< 19 / 109 >

この作品をシェア

pagetop