太陽の竜と闇の青年
「あ、あぁ。そこまで大きな貴族ではないが、過保護な親がいてな。俺はいらないって言っているんだが……。親が侍従を勝手につけてくるんだ」


すると、サクラさんが笑って言った。


「まぁまぁ!そうなんですか。ですが、わたしは姫様に仕えてとてもうれしく思いますよ。実はリク様もジンさんが仕えてくださってうれしいんでしょう?」


俺は笑うだけにしておいた。


「で?若様、こいつらは一体何なんです?」


ラカが踏んでいる人たちを見下ろして言った。


「あぁ。盗賊だよー。どうしよっか……。処分したほうがいいとは思うんだけど……」


俺は口を開いた。


「それなら、あと少しで俺たちの巡回がくるだろう。そいつらに渡せばいいさ」


俺がそう言ったとき、バタバタと足音が聞こえた。


「お、来たかなー?」


フウが楽しそうに森の入り口を見つめる。


ラカがクスッと笑っていった。


「では、わたくしたちはここで失礼いたします」


……?


「何でですか?これは、フウさんやルウさんのおかげで捕まえれたようなものなんですよ?」


するとサクラさんが困ったような顔をした。


「ちょっと、商売人上、あまり大胆なことはできないんです。ですから、この件はお二人の報酬ということで……お願いできませんか?」


俺はしばし考えた後言った。


「あなたたちが困ることはあまりしたくない。分かった。これは俺たちの報酬としてもらう。すまないな」


すると、ルウとフウが笑って言った。


「「いえいえ」」


そして、巡回のヤツらがチラッと見えた瞬間、四人はどこかに消えてしまった。(ただ、サクラさんはラカさんに背負われてた)


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