天神学園高等部の奇怪な面々26
夕城 こはく、身重だって夏を満喫したい
海はどこまでも真っ青で、水平線は何一つ遮るものなく続いていた。

ウミネコが呑気な鳴き声を上げ、打ち寄せる波の音に混じって、子供達のはしゃぐ声が響く。

「……」

ビーチパラソルの下にシートを敷いて、こはくはそんな声に耳を澄ませていた。

髪を靡かせる潮風。

白い砂浜に反射する日差し。

気温なんて気にならないほどに、それらが心地よく思えた。

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