The key to heart
タイトル未編集

「人は見た目だけじゃわからない。本当の心がわかってこその付き合いなのだ」

誰の言葉だっけ?
誰の言葉か忘れちゃったけど、すごく覚えてる。
だっておかしいでしょ?
本当の心って…意味わかんないし。

あたし、小山ゆな。
高校1年生。
今、入学式が終わってクラスに入ったところ。
あたしのクラスは1-3。
全部で5クラスあるみたい。

「ねぇねぇ! ストラップ、Pretty××の限定コラボアイテムだよね!?」
あたしの前の女の子が、あたしの携帯のストラップを指差して言う。
「うん。そうだよ」
「私も持ってるんだっ!」
そう言うと女の子はポーチを取り出した。
「ほんとだぁ…」
「限定だって言うから朝早くから並んじゃった! えっと…小山さんは?」
「あたしは抽選が当たったの! てか、小山さんじゃなくてゆなでいいよ?」
「ほんと? じゃあゆなって呼ぶ! 私のことは麻理でいいから!」
「麻理?」
「うん! あたし、小林麻理って言うんだ! よろしく」
「…うん!」

麻理は、とにかく明るくてあたしと気があった。
2人で話していると、女の子の大きな声で会話がとぎれた。

「九条くん! アドレス教えてくれるっ!?」
「ずるーいっ。私にも教えて~!」
「九条くーん!」
「……あ~。いいよ。アドレス、これ」
「きゃ~っ/// ありがとう!」


「…な、なにあれ」
「九条蓮、でしょ?」
「九条蓮?」
初めて聞く名前に、あたしは耳を傾けた。
「私と同じ中学だったんだよねー。遊び好きでさぁ…。私は大嫌い」
「…そ…うなんだ」
あ、遊び好きなんだ。
あたしも好きじゃないタイプだな…・
「ま、私は絡む必要ないと思ってるから。どうでもいいんだけどね~」
「おぉっ。麻理かっこいい~!」
「えぇ! なんで~っ?」


■ ■ ■


「ゆーな! 一緒に帰ろ?」
1人で帰ろうとしていると、麻理が声をかけてくれた。
「麻理って家どこなの?」
「あたしはねぇ、電車にのって…………」
「わ! 超近いよ!」
『多分、麻理んちとあたしんちじゃ、歩いて10分かかるかかからないかくらいだと思う。
「そういえば中学も隣だよね? もっと早く気づけばよかったぁ!」
「そうだね~」
すると、いきなり後ろから大きな声が聞こえた。

「ちょっと!! なによこれ!」
「送れないんだけどっ」
「九条くん間違えて教えちゃったのかなぁ?」
「も~!! 明日ちゃんと聞かなきゃ!」

なんとなく、聞くかぎりでは九条さんがみんなに教えたアドレスが間違ってたみたい。
「ね。九条くんって、あんな感じなの」
麻理が小さな声であたしに教えてくれた。
九条さんは、何がしたいんだろ?
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