空より青い
医者が言うには、僕は重傷者で、2週間は入院していなくてはならないそうだ。せっかく彼女が付き合ってくれるって言ってくれたのに、無念だ。


「何惚けた顔をしてるのよ気持ち悪い。」


そんな中、彼女はここ毎日お見舞いに来てくれている。そして毎日僕にリンゴを剥いてくれる。皮を剥いた所も真っ赤なリンゴを僕は頬張りながら、同時に幸せも噛み締めていた。


「退院したら何処かに行こう。何処に行きたい?」


「そうね、私と一緒に居て貴方が楽しくない場所が良いわ。」


「それは困ったな。僕は君と居るだけで楽しい。」


この状況が楽しいのだ。きっと地獄でも彼女が居れば天国になるのだろう。でも、そうしたら、そこが地獄じゃ無くなるわけで、そうなると僕にとっての地獄は彼女が居ない世界なんだろう。


「そう、じゃあ出掛けるのは無しね。」


「ちょ、ちょっと待って!考えるから!」


僕が必死に考える僕の姿を見て彼女は満足したのか女王様みたいな笑みを浮かべて帰っていった。似合うなぁ、その笑顔。もちろん、切ったリンゴは残さず食べましたよ。


「う~ん、何処に行こうかな・・・。」


僕が喜ばない場所は幾つかあるけれど、それだけじゃ駄目だろう。彼女が楽しめないと・・・。



「痛てて・・・・・」


まずは退院しないとな。明日も来てくれるかな?
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『青い空。白い雲。世界の果てまで続いていそうな海を見つめて少女は立つ。 右手にはナイフ、左手には魚肉ソーセージを持って、彼女はまだ見ぬ明日へと進んで行く。』

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