センセイと一緒 ~feel.Black~




怒りに満ちた柊史の瞳。

獰猛な獣のように鈴菜を食らい尽くそうかというような瞳。

遠慮も容赦もない、激しさに満ちた瞳。


「忘れる、だと?」

「……っ?」

「お前、卒業したらオレを忘れるつもりなのか? ……そんなつもりで、オレと……」


柊史の目はどんどん鋭さを増していく。

鈴菜は呆然と柊史を見上げていた。

……何がどうなっているのかわからない。

硬直する鈴菜の耳に、バスの発車案内が聞こえてきた。


『桜羽公園行、間もなく発車いたします~。終車となりますので、お乗り遅れのないよう……』



< 115 / 225 >

この作品をシェア

pagetop