センセイと一緒 ~feel.Black~

3.卒業祝い




午後。

鈴菜はお世話になった先生や部活の後輩などに挨拶を終えた後、中庭を歩いていた。

まだ3月中旬のため、桜の花は咲いていない。

しかし白木蓮や沈丁花などが甘く柔らかい芳香を辺りに放っている。


――――2年前。

この学校に転入した時。

満開の桜の下。

……あの時は、自分の未来など全くわからなかった。


けれど今、鈴菜の未来はひとつの方向に向かって走り出している。

……大事な人。

ただ一人の大事な人と、紡いでいく未来。


――――貴方と一緒なら。

この先どんな未来が訪れても、後悔なんてしない。


「……柊ちゃん……」


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