センセイと一緒 ~feel.Black~

4.永遠という言葉




<side.柊史>



進路指導室を出た後。

柊史は理科準備室へと向かった。

既に中間試験のシーズンに入っており、これからしばらく生物部は休みとなる。

と、理科準備室の前まで来たとき。


「遅かったわね、柊史?」


理科準備室の前に弘子が立っていることに気付き、柊史は眉根を寄せた。

そんな柊史に、弘子はくすりと笑って近寄る。


「今日はこの後、何も用は……」

「前にも言っただろう。もう、ここには来るな」


柊史は低い声で言い、じっと弘子を見据えた。

弘子は眉を上げ、上目使いで柊史の顔を覗き込む。


「……珍しいわね。あなたがそこまで言うなんて」


弘子は楽しげにくすくすと笑う。

柊史は無表情で弘子の顔を見下ろした。

< 62 / 225 >

この作品をシェア

pagetop