センセイと一緒 ~feel.White~




「……だめですね、僕は。君のことになると、とたんに冷静ではなくなってしまう」

「……先生……」

「……失礼しました。では模試の成績を確認しましょうか。森下さんの成績は……」


尚哉は思いを振り切るように顔を上げ、机の脇に置いてあったファイルを取った。

パラパラとめくり、鈴菜の成績表を取り出す。

鈴菜はなぜか胸の奥が熱くなるのを感じた。

なんとなく、昔の尚哉と似ているような気がする。

本人だから当たり前と言えば当たり前なのだが。

――――昔はもっと、感情を露わにしていた尚哉。

大人になった今は大分落ち着いたが、やはり人間、内面はそう変わらないらしい。

鈴菜はそう思いながら、尚哉の説明を聞いていた。



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