センセイと一緒 ~feel.White~



言い、椅子を引いて立ち上がる。

ゆっくりとリビングの方へと歩いていくその後ろ姿……。

それを見、母がくすりと笑った。


「……勝手にしろってのは、いいってことよ」

「……お母さん……」

「あんたがここまで主張するなんてね。……正直、驚いたわ」


母は目を細めて笑った。

リビングへと歩いていく父の姿を見、口を開く。


「なんだかんだ言ってもね。お父さんはあんたが可愛いのよ。あんたが家を出るよりは、認めた方がいいって思ったんじゃないかしら」

「……そうなの?」

「でもあんた、いいの? N大に行くために奨学金取ったのに……」


姉の言葉に、鈴菜はしばしの沈黙の後、口を開いた。


「いいの。K大にも似たような学部はあるし、それに……」

「……それに?」

「自分が勉強したいと思っていることは、そう思っている限り、どこの大学に行っても勉強できるはずだから」



< 191 / 215 >

この作品をシェア

pagetop