センセイと一緒 ~feel.White~



と首を傾げた鈴菜の右手の薬指に。

尚哉は小さい方の指輪を取り、素早く嵌めた。

そしてもう片方の指輪を取り、鈴菜に差し出す。


「さ、これをおれの指に嵌めて?」


と言い、尚哉は自分の右手を差し出す。

少し節ばった、白く長い指。

鈴菜は頬を染めながら、尚哉の指に指輪を通した。

……結婚式のセレモニーもこんな感じなのだろうか。

などと思っていた鈴菜の耳に、尚哉が甘いテノールの声で囁く。


「……2年後。君が20歳になったら、左手の同じ指に指輪を嵌めるから」


その言葉に。

鈴菜は頬を赤く染めた。

それって……まさか……。

頬を染める鈴菜の肩に再び手を回し、尚哉は囁く。


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