センセイと一緒 ~feel.White~




記憶を取り戻した鈴菜は、少し混乱した様子ではあったが前と変わらぬ表情を尚哉に向けてくれた。

純粋で澄んだ、そして少し懐かしそうな鈴菜の視線。

そして、尚哉が夢にまで見ていたあの笑顔。

尚哉はこれまで以上に、鈴菜に惹かれていく自分を感じていた。


――――もう、止められない。

これが罪だと言われるなら、全てを投げ出しても構わない。

鈴菜が自分を選んでくれるのであれば、何を犠牲にしても構わない。

心の底で、そう思っている自分がいる。

全てを捨てて、鈴菜だけを連れて……


「……ダメだ、そんなことは……」


尚哉は首を振り、夜空を見上げた。

けれどもし、そうなったら……

自分はきっと躊躇しないだろう。


頭上の木々の間から、星明りが足元に差し込んでいる。

……鈴菜の瞳を思わせる、澄んだ清かな光。

尚哉は星明りの中を、ゆっくりと参道の方へと歩いていった。



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