誘惑のクラン(血族)
「無駄です。一番強い作用のある香草を調合してありますから。しばらく眠っていてください」


崇は優真に頭を下げると出て行った。


人間たちもいなくなり、部屋には優真だけになる。


ヴァンパイアは強烈な臭いでこの部屋にいられないだろう。


たくさん匂いを吸い込んでしまった優真は指一本すら動かせなくなった。


璃子ちゃん……。


碧羽……たの……む……。


遠のく意識で思うのは璃子のことだった。


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